1890年代になり、フロンティアが消滅、海外進出の動きが活発になりました。そして1898年の米西戦争での勝利がアメリカの対外関係を根底から変えることになります。米西戦争に勝ちハワイを領有したアメリカは、真珠湾港、マニラ港、グアムなどに軍事基地を確保し“太平洋の橋”を完成しました。そして1900年の中国の義和団の乱に際して、アメリカは諸外国をリードして“門戸開放政策”(ある1国がアジアで超大国となり、中国に独占的な支配の及ぶのを防ぎ、アジアにおける勢力均衡を維持する政策)を確立しました。このアメリカの基本政策は、その後の米中の間に心理的親近感を生み、第二次大戦が終了し、中国が社会主義国家となるまで、この政策スタンスが続きました。戦前の日米中の関係にも、この流れが少なからぬ影響を及ぼしたということもできると思います。
零細な小売業と、多段階の卸売業とで成り立つ流通機構のもとでは、どうしても効率は悪く、商品の値段は高くなりがちです。メーカーによる建値制と、リベート制を巧みに組み合わせた系列取引が根を張りすぎると、別の業者はその商品を扱えず、公正な競争は封じらます。アメリカが日本型系列取引を貿易障壁だと非難しているのも、いまのような流通機構では、輸入商品が入り込めないとみているからです。最近は、系列取引を打ち破る大規模な安売り店(ディスカウンター)が増え、輪人総代理店に対抗して並行陥入に乗り出す動きも出てきました。しかし、日本では独占禁止法の運用がアメリカほど厳しくないせいか、競争を制限する商慣行や系列取引が横行しやすくなっています。効率の悪い流通機構は商品の価格を押し上げ、人々の生活コストを高めます。
経済のグローバル化によって、どのようなメリット、デメリットがもたらされるのだろうか。まず、先進国がもつ多額の資本や労働力、高度な技術、経営のノウハウなどが途上国へ流入するようになる。その結果、途上国の発展スピードは格段に速くなり、それに合わせて、世界全体での生産活動も大幅にアップする。世界のGNP(国民総生産)の推移を見てみると、1990年に約20兆ドルだったものが、2000年には約31兆ドルにまで膨れ上がっている。約50%の増加だ。これは、世界全体での経済活動が著しく活発化したことを意味している。経済のグローバル化で恩恵を受けているのは途上国だけではない。先進国にもさまざまなプラス要素がある。たとえば、先進国の企業は所持する資本を途上国の企業に投資して多くの利益を得ている。