試みられているのが、「コレクティブハウス」と呼ばれる住環境の新しい開発方式です。従来、マンションであっても一戸建てであっても、すでに建設段階に入っている物件を購入するのが一般的で、企画や開発はデベロッパー任せでした。そして建物が完成すれば、見ず知らずの家族が続々と入居し、地域を形成するのです。一方、「コレクティブハウス」という方式では、これから一定の区画で住み暮らそうとする家族同士が建築家を交えて話し合い、住宅の建設前から「街」のあり方を模索します。
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住宅設計の現場では、とかく自分たちの住まいばかりに関心が向かいがちですが、それを「街づくり」という広い観点でとらえ、コミュニティーを育みながら住環境を整えようとするのが「コレクティブハウス」の発想です。しかし、この方法とて問題がないわけではありません。最初に賛同して入居した家族はいいのですが、事情により転居してしまい、新しい家族が入居した場合など、どこまで対応できるかということもあります。都市生活圏が一度は捨て去った地域コミュニティーを現代風のかたちで取り戻そうという考え方が出現してきた背景には、「自己完結型家族」の限界が見てとれます。しかし、いくら地域に開かれた住まいを手に入れても、間取りに閉鎖性を残したままでは、外面ばかりが良くなるだけでしょう。